プロが教える防爆無線選び
【徹底比較】防爆無線どう選ぶ
【防爆ってなに?】
防爆って聞いたことありますか?
聞いたことがある方は、お仕事で必要とされている方ですね!迷わず途中読み飛ばして選び方から読んでください。
聞いたことない方は、たぶん必要としてない方です!だからこのページ自体読まなくても大丈夫!
となると、このくだり必要なのかって話ですが、簡単に説明しときます。
防爆ってのは、静電気が発生しないようにしたり、落下した際に火花が飛ばないような素材にしたりと、とにかく可燃性ガスとかが充満してるような場所でも使えるように特殊な加工をしてることです。特に電化製品が多く、例えばスイッチとか照明とかカメラとかPCなんてのもあります。(電化製品以外だとハンマーとかもありますね)
そういう「爆発するかもしんない超危険な環境下」でも使えるようにした非常に特殊な製品のことを「防爆〇〇」と言います。
【防爆無線機】
さてこの防爆製品、ニッチすぎてなかなか種類がありません。そして無線機がまたかなりニッチな商品です。その交差点にある「防爆無線機」、想像通り極めてニッチで非常に商品が少ない機械です。一般人はまず死ぬまでにすれ違うことすらありません。
しかし、そんな商品でも、世の中にはどうしても必要な方もいらっしゃいます。例えば化学工場で揮発性の有機溶剤に囲まれて仕事してる人、コンビナート周辺で石油や液化ガスの備蓄とかに関わってる人、石炭や金属粉の粉塵の中に突入する仕事の人、そしてそういう場所で起こった事故などで出動する消防関係の方々。そういう方の業務連絡や、万が一の時の緊急連絡手段として、防爆無線は密かに重要な役割を担っているのです!←ここ大事
【防爆無線どう選ぶ?】
さて、非常に極めてとんでもなくニッチな防爆無線機、当然ながら商品説明の資料なんてメーカーのカタログか説明書くらいしか世の中にありません。
そこで簡単ではありますが、どう選択するかをアシストしていきたいと思います。
まず基本的に、以下の三つのことをしっかり把握してください
- 現在無線機を使っているか?使っている場合はその無線機は免許が必要か免許不要か?
- 通信したい距離はどれくらいか?屋内の場合は上下何階くらいで通信したいか
- 免許取得は可能か?
1.現在無線機を使っているか?使っている場合はその無線機は免許が必要か免許不要か?
無線機を使っている場合には、その無線機は免許が必要か免許不要かで選択肢が変わります。(すでに防爆無線機を使っている方は省きます)
免許が必要な無線機をお使いの場合は、その免許に適合した機種を選択すると、非防爆機種から防爆機種への変更や、防爆機種の追加の免許申請がスムーズになります。
免許不要の無線機をお使いの場合、それはたぶん特定小電力トランシーバーというタイプです。現在、一般的な特定小電力トランシーバーに繋がる防爆無線機はありませんので、この場合はイチから検討することになります。
2.通信したい距離はどれくらいか?屋内の場合は上下何階くらいで通信したいか
通信したい距離によって電波の強さなどを選ぶ必要があります。
防爆機については、一般業務用無線、簡易無線、特定小電力トランシーバーの3種類があります。特定小電力トランシーバーの電波の出力は10mW、一般業務用無線と簡易無線はだいたいその100倍です。(といっても100倍は飛びません)
特定小電力トランシーバーの通信距離は概ね100?200mくらいで、相手が見える範囲と考えて下さい。別の部屋や上下階になると、壁や床の厚さや材質などによって近くても届かない場合もあります。屋内で使う場合は概ね1フロアか2フロアくらいで使うくらいがいいです。
簡易無線は概ね1kmくらい飛びます。工場内などでも上下で1Fから4Fくらいまでは飛びます(構造などによります)。
一般業務用無線については、無線機単独で通信する場合は簡易無線と同程度です。ただし、一般業務用無線の場合は、基地局を作りアンテナを社屋や工場の屋上などに立てて中継することで、かなり通信距離を伸ばすことができます。ロケーションによっては1km以上飛ばすことも十分可能です。
3.免許取得は可能か?
簡易無線と一般業務用無線は免許が必要です。
一般業務用無線は、各地域の総務省総合通信局と話し合って必要性を認めてもらい、そのうえで免許をもらわないといけません。さらに免許を取った無線機を扱うには、扱う資格を持った担当者が複数人(状況によって変わります)必要です。その代わり、専用の周波数をもらうので混信やセキュリティに強いです。複雑なシステムも組めます。
簡易無線は、届け出をするだけの簡単な免許で使えます。取り扱いに資格もいりません。届け出は、だいたい購入した販売店が代行してくれます。その代わり、特定の周波数帯をみんなで共有しますので、近隣で使っているチャンネルが稀にバッティングすれば、電波を拾いにくくなることがあります。
特定小電力トランシーバーは免許も資格も不要ですので、購入したその日から使えます。
【まとめ】使用する場所の広さに応じて選択するのが正解
以上をふまえると、だいたい近場でやり取りするだけであれば特定小電力トランシーバー、敷地内のある程度広い範囲で通信したい場合は簡易無線、広大な敷地で隅々まで通信したり高度なシステムを組みたい場合は一般業務用無線を選ぶといいでしょう。
お値段は、概ね電波が飛んで免許が高度になるにしたがって高くなります。ただし防爆無線機は非常にニッチなため、特定小電力トランシーバーでもそれなりのお値段がします。
以上、簡単ではありますが防爆無線機の選び方でした。詳しくはこちらの専門業者に問い合わせてみて下さい。
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